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自治会・町内会情報

若い人同士のつながりづくりに、子育て世帯で懇親会

西京区塚原町では、令和5(2023)年度の地蔵盆はコロナ禍を経て縮小して再開したため、余った予算で町内会の親睦会を開催されました。翌年も親睦会を継続し、自治会に接点が持てていなかった子育て世帯同士のつながりも少しずつ生まれてきています。令和5(2023)年度地蔵盆委員を務められた前田さんのほか、各年の地蔵盆委員や自治会役員の皆さんにお話を伺いました。

 

コロナ禍明けの地蔵盆

【永守さん(令和5年度自治会長)】

塚原町のお地蔵さんは、お寺の地蔵堂に祀られています。お地蔵さんは道端の祠に祀られているイメージがあるかもしれませんが、西京区では大きなお堂に祀られていることがしばしばあるようですね。毎年8月末の日曜日に行う地蔵盆は、多い時には子どもだけで30~40人参加していました。午前中にゲームなどの催し、午後からお寺でお参りと、コロナ前は丸1日開催していたので、子どもたちにとっては夏休みのお楽しみでしたね。

【小竹さん(元地蔵盆委員)】

子どもたちが幼稚園児だった10年以上前、初めて塚原町の地蔵盆に参加しました。当時、毎年手作りのゲームを1つずつ寄付されていた方がいらっしゃり、「来年お手伝いしましょうか?」と伝えると快く思いを受け取ってくださいました。塚原町に引っ越してきたばかりだったので、地域の年配の方々がこれまで受け継がれてきたことを聞きながら手伝っていました。当時は子どもの人数も多く、最大約120名が参加した年もありました。皆さん、子どものために、と動いてくださる方ばかりで、自分も結局、子どもたちが中学校を卒業するまで約10年間、地蔵盆委員として活動しました。塚原町は、転入してきた人も一緒に、という風土があると思います。自分がしてもらってきたことを、今度は地域に返していこうと思っています。

【前田さん】

3年前、私が地蔵盆委員を拝命するにあたり、私が町内会に入る前から担ってくださっていた谷口さんと一緒に、コロナ禍でも何とか開催できないかと話し合い、毎年自治会やお寺さんに打診してきました。令和3(2021)年度から3年間、地蔵盆委員のとりまとめ役となりましたが、これまでの役員の皆さんのご苦労のおかげで、子どもたちが楽しませてもらっていたことがよくわかりました。私もできることはやらせてもらおうと思いましたが、地蔵盆委員は数年おきにメンバーが変わるため、誰でも担いやすい形に見直すことも必要だと思いました。

コロナ禍が落ち着き、令和5(2023)年にようやく再開できたときは、規模を縮小して半日で行うことになりましたが、約20人の子どもが参加してくれました。地蔵盆以外の様々なイベントも再開していたので、予定が重なり参加できない子もいたかもしれません。例年、参加できるのは小学6年生までですが、コロナ禍で中止していたこともあり、中学生にも案内しました。

開催にあたっては、チラシにQRコードで申込フォームを掲載したり、これまで自治会がとりまとめていた提灯を各家庭で管理するなど、役員の負担を少しでも軽くできる工夫を取り入れていきました。

 

 

 

 

 

地蔵盆の様子(令和6年度)

 

若い世代や新しい人の意見を大切に

【永守さん】

塚原町自治会では、各班の班長は1年交替ですが、役員は一本釣りで声をかけているので、長年担われている方もいらっしゃいます。毎月1回、団塊世代の約10人が寄り合いをする風習が約50年続いているんですが、こういった場で事前に話をしておけるから、会議でものごとが決めやすいんですよね。ちなみに、地蔵盆の内容は、毎年の地蔵盆委員が決めており、自治会から予算は出しますが、役員は口出しせず、全て地蔵盆委員に任せています。

 

 

 

 

 

自治会役員は影で見守ります

 

 

 

 

 

秋桜会(女性会)の皆さんもお手伝い

 

【前田さん】

地蔵盆委員は自治会の役の1つで、子どもがいる家庭を中心に毎年3名選ばれます。補佐役として経験者も入りますが、基本的にはその年の地蔵盆委員に一任されます。

実は、令和5(2023)年度は縮小して地蔵盆を行ったため、予算が余りました。だから、その予算で10月に懇親会を企画したんです。きっかけは、地蔵盆委員で「子育て世帯が集まれる場所があったらいいね」という話が出たこと。自治会の許可をいただいて回覧し、地蔵盆に参加した子育て世帯を中心に呼びかけたところ、5世帯のファミリーが参加してくれました。自治会館を借りて、これからどんなことをしたいか、どんな企画があるといいか、などの意見を出し合いました。ここで、翌年度の地蔵盆委員を担ってくださる方も見つけることができたんですよ。団塊世代の寄り合いがあるように、子育て世帯同士のつながりも増やしていきたいですね。

【鈴木さん(令和6年度地蔵盆委員)】

令和6年度は、前年度に引き続き前田さんと、新しく加わった森さんと3人で地蔵盆委員を担いました。新しい試みとして、自治会未加入世帯にも参加を呼びかけました。地蔵盆のチラシを約100部、新しく住宅が建ったエリアなどへ1軒ずつ投函したところ、3世帯のファミリーが参加してくれました。

【森さん(令和7年度地蔵盆委員)】

地蔵盆委員は3名体制ですが、毎年1名が新しい方と入れ替わる形で、経験者も残りながら引き継いでいます。令和7年度は、私がリーダーとなり、前年度からの鈴木さんと、前田さんと交代で入られた北本さんの3人で担う予定です。特に懇親会は、子どもたちが楽しいと言っているので続けていきたいですね。夜もお友達と一緒に過ごせる時間が、特別感があって楽しいのかもしれないですね。

 

自治会の存続のために

【前田さん】

一般的に、自治会のメリットがない、という理由で自治会離れが進んでいると言われますが、塚原町でも危機感を持っています。「自治会に加入してください」という勧誘よりも、「塚原町は住みやすいよ」という口コミの方が、結果的に自治会への加入や退会防止につながると思うので、地域のつながりの良さを実感されている方の声が広がるといいな、と思います。

私は6年前に塚原町に引っ越してきました。もともと市外に住んでいたので、地蔵盆のことは何も知りませんでした。班長さんから「自治会に入るかどうかは自由に考えてもらったらいいですよ」とお誘いを受け、地域で自分の子どもの顔を知っておいてもらうことが大事だと思って自治会に加入しました。地域のことを全く知らなかったので、加入したら何かわかるかもしれない、とも思いました。それ以降、回覧で知った町内の行事、例えば、掃除、総会、おまつり、地蔵盆などに参加するうちに、子どもを通じたつながりもでき、地蔵盆委員をすることになったんです。

顔見知りになった塚原町の人は、みんなあったかくてやさしい。町内会に入らないと感じられなかった“住みやすさ”、私も活動に関わる中で実感しています。

【上田さん(令和6年度自治会長)】

昔からずっと塚原町に住んでいますが、自治会の様子も昔と変わってきていますね。昔は3世代同居世帯も多かったのですが、今は核家族や、多くても2世代同居。自治会活動も、今の人たちがやりやすいようにできたら、と思っています。塚原町では、地蔵盆も含めて年に4回、全員に声をかけて集まる機会があります。これらを大切に受け継ぎ、新しい人にもまず1回、行事に参加してもらえるようにしたいですね。新しい人が入ると新しい風が入り、交わりながら続いていく。自分もこれから、これまで地域の方々にしてもらってきたことを、ちょっとでも恩返ししていきたいと思います。

 

【西京区、加入約110世帯】

取材:令和6(2024)年1月21日~令和7(2025)年1月30日

【取材後記】

今回取材させていただいた地蔵盆委員の方々は皆さん転入世帯。元からお住いの方も、新しい方も、「来る人拒まず、去る人追わず」「何をやるかより、誰とやるか」と、口々に人と人との関係性を大切に思われている言葉が語られた。お互いへの配慮の気持ちが良いつながりを生み、持続可能な地域活動を実現していく。

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