ホテルと一緒に、お祭りを企画
北区の鏡石町町内会は、町内の同じ通りに大きなホテルがいくつも立地する地域。その中で、近年新しくできたホテル事業者と、地域住民が楽しめるお祭りを一緒に企画されましたので、町内会長の西さんとROKU KYOTO,LXR Hotels & Resorts総支配人の西原さんにお話を伺いました。
「地域のために一緒に何かやってみよう」
西さん:ホテルとは、建設前から継続的に協議を重ねていました。その中で、「一緒に何かしませんか」と提案したところ、ホテル側も『ぜひ地域に貢献したい』と協力的な姿勢を示してくださいました。そこで、まず町内の年間行事をホテル側にお見せし、何ができるかを協議したんです。その結果、ハロウィンやクリスマス、敬老の日にホテル側からお菓子を振る舞ってくださったり、キッチンカーを出して盛り上げてくださったりと、たくさんの協力をいただきました。その後、一緒にお祭りを企画することになり、月1回の連絡会議を重ねていましたが、コロナ禍で中止を余儀なくされて…。
「念願のフェスタ開催」
西さん:今年5月、ようやく念願だった「鏡石フェスタ」を開催することができました。綿密に準備を重ねてきたのですが、当日は大雨。それでも町内から約220名が参加し、大盛況でした。当日は、ホテル側が手配してくださったキッチンカー4台と、ヨーヨー釣りや射的などの縁日コーナー、また、豪華賞品が当たるビンゴ大会が行われて大盛り上がり。ホテル従業員と町内会役員が一緒にスタッフをしましたが、若い人も多くてとても助かりました。
西原さん:町内の方が喜んでくださって何よりです。町内会役員の中にはホテルで働く方もいらっしゃり、ホテルと町内会のつなぎ役になってくださいますね。地域のご理解あってのホテル事業ですから、いつも何かしら地域のお役に立ちたい、という思いでいますので、当日は、ホテル従業員約20名が協力しました。ほかにも、週1回の地域の清掃活動や、年末の夜回りに1組を担当して参加しています。
「地域の皆さんが喜んでくださるのが何より」
西さん:地域の皆さんが喜んでくださるのが何より嬉しいので、私で良ければ、と、町内会長を引き受けて4年になります。実はもともと九州の出身で、京都に引っ越してきて45年ほど。約20年前にも町内会長をさせてもらったのですが、当時は住宅が増え、子どももどんどん増えていました。子どもたちのために何かできないか、という思いから、その時に子ども会を立ち上げたんです。現在も、保護者が中心となって旅行などを計画しているようですが、当時の子どもたちは今では大人。鏡石フェスタにもお手伝いで参加してくれました。
(令和5年の鏡石フェスタの様子)
「その時その時で工夫しながら活動する」
西さん:町内会では、住民の方の声をもとに、様々な工夫を取り入れています。例えば、夜回りで「拍子木の音が聞こえにくい」という意見をいただいときには、拡声器で大人の声を流しても面白くないので、子どもの声を録音して流したら大好評でした。地域の誰もが安心して暮らせるよう、この地域で火事も事故もおこさせない、という思いです。これからも楽しく工夫して活動していきたいと思います。
【北区、加入約160世帯】
取材:令和5(2023)年5月14日
【取材後記】
フェスタでは、地域の皆さんが気軽に会長に声をかけておられたのが印象的でした。地域側のスタッフにも若い世代が関わり、ホテル事業者と地域とのつながりだけでなく、世代を超えて地域住民が関わることができるお祭りとなっていました。ホテル事業者の協力で、住民同士のつながりを一層深めることができる事例だと思います。